着物の染変え・色掛け

絹の染めの着物は色を抜いて別の色に染めたり、新しい柄に染めたり、あるいは、抜かずに上から色を掛けたりできます。生地を大切にする日本人の古き良きエコなアイテムです。

染かえ

染めの無地の着物は、新しい色に染め変えることができます。染めの着物とは、白生地を染めたものです。これに対して、先に糸を染めてから織って生地にしたものは適しません。染めの着物は薬品で色を落とすことができます。色によっては、完全に抜けないものもございますが基本的には、全く別の色に染め変えることができます。柄が染まっているものや、刺繍や、箔加工があるものも、それらを除去する事ができませんので、適しません。逆に無地の着物の色を落として、柄物に染めることはできます。訪問着や付下など、刺繍や箔加工を施すことも可能です。色は様々な色がありますので、色見本や実際の着物、あるいは、お気に入りの写真や雑誌の切り抜きをもとに色を指定する事もできます。色かえの場合には着物を一旦解いて反物の状態に戻してから、色を抜き、染め直します。その後、仕立直しをします。

色掛け

色掛けとは、今のお着物の上から、色を上塗りすることです。柄の着物で、柄を活かして雰囲気を変えたいときや、柄の着物にシミがいっぱい付いてしまって、シミがとれないような場合にシミを隠すためにこの方法をとったりします。色掛けは他に「目引き」ともいいますが、色かえと同様に、着物を一旦解き、反物の状態にしてから色掛けの作業をします。その後、仕立直しをします。どの様な色をかけるかは、元の色との相性や、どんな雰囲気で着たいかとか、シミが隠れやすくなるか、など色々と相談しながらになりますが、仕上がりの状態に近い感じを見ていただけるようなツールもございますのでそれを見ながら決めて行きます。